で、でもきいて><
もうちょっと真面目にかいたら、もうちょっとだけ丁寧にかけるんだよ><多分><
久々にこういうのかけてすごい楽しかった。とりあえず楽しかった。
あと情景描写と手直しして、サイトにあげるね!>ろくさん
つかれたーおやすみー。
山崎がいつものようにぱしられるようです。
「なんで俺が…」
それは何回目の溜息だっただろうか。
冬の夜はよく冷える。
隊服の上にコートを羽織って首元にマフラーを巻いていても、寒いと身体を丸めなければいけない。
こんな日に限って何時もより気温は低く、信号はさっきから嫌がらせの様に赤ばかり、いいことなんて一つだって、
「あ、山崎さん」
覚えのある声だと振り返ると、俺と同じくらい厚着した新八くんが手を振っていた。
信号がちょうど青に変わったので、新八くんと並んで渡る。最近どう、とかそんな会話こないだもしたよな。
「僕今から銀さんに頼まれたジャンプとお通ちゃんが表紙の雑誌買いに行くんですよ」
「ああ、そうなんだ。俺もさ、買い物頼まれて」
そろそろ9時になる、
時計を見上げてテレビのある間へと向かおうとしたが、副長の俺を呼ぶ声が屯所に響いた。
駆け足で襖を開けると、テレビの前は既にむさい隊士たちで溢れ返っている。そう、今日は先々週から楽しみにしてたラピュタの日だ。
「煙草買って来い」
「ええー嫌ですよ!ラピュタ始まるじゃないっすか」
「だからとっとと行って来いつってんだよ!」
ここで嫌だと食いついている方が(結局行かねばならないのだから)ラピュタを見る時間が減る。
ここは言葉通りとっとと行って、とっとと帰ってくるのが得策だろう。
コンビニまでは走れば3分で着く、所要時間は10分、よし。シータが落ちてくるまでには帰って来れそうだ。
溜息交じりに了解すると、
「え、山崎コンビニいくの?じゃあなんかつまみ頼むわ」
「山崎ィ、俺コンソメー!」
「映画にはポップコーンだろうが!」
「ザキ、アイス買って来い」
「あんたら自分で行けよ!俺がラピュタどんだけ楽しみにしてたと思ってんだよ!」
「とっとと行って来い」
「俺だってラピュタみたいよ、シータと毛布くるまりたいとか思ってるわけ」
「あ、ああ…そうだったんですか…あれ、でも真選組屯所ならあっちのコンビニのが近いんじゃ…」
「うん、そうなんだけどね。俺の計画では10分で戻ってくるつもりだったんだけど、沖田隊長が何かお好み焼き的なもの食べたいとかいいだして、そしたら皆もんじゃだのやきそばだのバーベキューだの言い出して結局スーパー行かなくちゃならくってさ。今、帰りだったんだけど、さっき携帯に電話あってコンビニの肉まん食いたいとかね、もうほんとね…。」
両手に提げたスーパーの袋に目を落として新八くんが苦い顔をした。
コンビニまで肩を並べて歩く。新八くんに何となく、今の時刻を聞くと9時半ちょっとすぎ、と返ってきた。
あー、これはもうパズーのラッパも余裕で終わってるね。シータが転んで女の子だってばれるところとか、ほんと俺好きなんだけど。
「またやりますって。もし何ならDVDとか借りれば何時だって見られますよ!」
「そうなんだけどさ、ていうかもう台詞出てくるほど見てるんだけどさ。何ていうの?金曜ロードショーで見るからこそ週末!って感じがするっていうか、映画観た!って気
になるっていうか」
「あ…ああー…、なんとなくわかります。生放送のお通ちゃんの方がテンションあがりますよね。一番はやっぱりライブなんですけど。持ってるDVDでもなんとなくテレビでや
ってるほうが見ちゃうっていうか。DVDの中のお通ちゃんとテレビ放映されてるお通ちゃんは雰囲気違いますよね。あ、でも再放送はカットとかされるのがアレですけど。どうして見たくなるんですかねーああいうのって」
「うん、そんな感じ」
自動ドアが開き、足を踏み入れると温かさに身を包まれ安心する。
どうせ来たのなら、と直接レジに行かずに新八くんのあとに続いた。
そういえば副長今週のマガジンまだ買ってなかったな、あ、ワゴンの中のお菓子安い、このカロリーゼロ出たんだ絶対まずそう買わなきゃ、これ新商品じゃん買っておくか…目移りしながら店内を縫うように回ると、カゴの中にこんもりと山が出来ていた。
会計のギャルは迷惑そうな顔で商品を袋詰めていく。もし俺が店員なら絶対顔にでるだろうな。文句言う度胸はないけど。
肉まんをとピザまんを10つずつ、あんまんとカレーまんとを5つずつ追加するとついに舌打ちをされた。本当にごめんなさい。
「でも僕思うんですけど、山崎さんって真選組に必要だと思います」
「え?」
「パシリって言い方はよくないですけど、それってつまり頼られてるってことですよね」
「まあ結局はパシリなんだけどね」
「山崎さんがいなかったら、土方さんも沖田さんも困りますよ」
「そうかな」
「だって僕も、なんだかんだ皆がいなくなったら困りますから」
小銭を数枚落とした。
ギャルのわざとらしい溜息が聞こえる。
大きな袋4つを抱えてコンビニから出る、やっぱり外は寒い。
新八くんが途中まで半分持ちましょうかと声をかけた。
いいよ、と首を振って肉まんが大量にはいったビニール袋から肉まんを3つ取り出して、新八くんのビニール袋へといれた。
これはほんのお礼。
吐く息は白い。
お通ちゃんの新曲の話なんかをして、別れた。
荷物の重さがちょっと心地よい。
「ただいま戻りました」
テレビに釘付けになっている隊士たちにおかえりと言われたら、何か泣きそうになった。
コンビニ袋は取り上げられ、好き勝手に食べ物や飲み物を漁り、スーパーのビニール袋の中は食材だけが残る。
映画が終わったら、とりあえずお好み焼きを作ろう。
沖田隊長が一番前で寝転がってアイスを口にしている。
俺の視線に気付いたのか、こちらを向いて手招きをした。
「途中からじゃ面白くねぇだろうが、」
つまり、俺はその隣で見て良いらしい。
他の隊士たちもそれでいい、と笑う。シータとパズーがお互いの名前を呼ぶ。
すぐに涙腺が緩んだ。このシーンが一番好きなんだよな。寒いところから急に暖かい場所へ来たものだから、鼻水も出る。
「何でィ、そんなにラピュタ見たかったのなら最初からそういやいいのに」
「山崎DVD今度借りてきてやっからな!」
「ちきちきジブリ大会しようぜ!」
「サツキいいよなーお妙さんみたいだもんなー」
「なくなよー山崎」
いいことは一つもなくても、わるいことも一つもない。
いや今日のいいことは、みんなでラピュタがみれたことかな。
「……おい、山崎」
「はい…!副長!」
「俺の煙草は?」
「あ……」
わるいことも、ひとつあった。