こんな空に思い出が有る

母親がちょっと風邪ひいっちゃったから、お買い物したらは走れなくって早歩きで寄り道せずに帰って来たんだけど、何か私鬱っぽくなった。

目があったおばあさんにさ、微笑みかけられたのね。
そしたら私ふと(このおばあさんが幾つかしらないけど）７０年か８０年生きたその人の人生みたいなの想像しちゃってさ。私すごく自分がちっぽけというか、何やってんだと思ったのよ。冷静になって、私が擦れ違った人が生きてきた人生とか経験とか想像したらそれが凄く膨大に思えて、近所に住んでるのに出会わない人なんて本当に数え切れないほどいるとか、その人が嬉しかったり悲しかったことも、そんな繋がりにとっては正直どうでもいい事で、私がおばあさんに微笑みかけられただけでそんなことを想像してちょっと世界が暗くなったりしたことなんて、私が擦れ違った子供は絶対知る由もなくて、そんなことばかり考えて考えて、私が此処にいなくたってやっぱり世界的な規模で考えたらどうでもいいことで、でもどうでもいい中で、私が誰かに与えるプラスとかマイナスって少なからず他人に影響してるものだから、実はどうでもいいって思えなかったり、だったらこうやって擦れ違う人の多さに酔うのって何だかお門違いというか、自分と思想が違う人なんてたくさんいるのに、そんなのわかってるのに、どうして自分がこんなに小さいのかわからなくて、世界が広すぎることに気付いてなきそうになって、でも私はおばあさんに微笑み返さなきゃって思って頑張って笑い返したんだけど、おばあさん何時の間にか私を素通りしてて、何かそんなこともできないのが恥ずかしくって俯いたんだけど、汚れたラバソとか太いふとももとか見るうちに何だか悲しくなってしまって、ぼろぼろないたんだけど、


これって何かおかしくないか、と気付き
おうちかえっておすしたべたら結構元気になって、
あー痩せなきゃと思うわけで、
あんまり鬱じゃなかったんだなあと乾いた涙のあとがかさかさするだけだっていう


私の日常。