15分で幸せになる魔法

眠れない夜。
疲れすぎて、寝なくちゃいけないと思うと更に眠れない。

少し濃いめのコンポタージュを熱い息で冷ましながら窓際に一人佇む。
愛しい人の声を聞いて、心が落ち着いたらゆっくり瞳を閉じてみる。
、我が家の自慢の夜景なんかよりずっと綺麗な星空が瞼の裏で瞬く。




なんてラブロマンス！
そんな状態に酔って仕舞うのは矢張りあの人が愛おしいから。

もし15分あったなら
私はバター沢山のホットケーキが作れるわ。
少し早歩きしたらショッピングモールにでさえ行けるの。
夢の中に堕ちて愛しい人に会うのも良いかもしれない。

でも、私の大好きな人は私を15分で幸せにして仕舞う。
寂しいのも辛いのも、苦しいのだって15分あったら私を溶かして仕舞う。


でも貪欲な私は
実は15分じゃ足りない。
ずっと何時間も、傍に居たいの。


出来ることなら、
此の身が朽ちる其の日迄。