be moved to tears.

思い起こせば昔から誰かを泣かせていた。
これを言ったら泣くのだろう、と頭では理解しつつ頭にくると傷付けるセリフを選ぶのも悪い癖だ。


小６の時ナイフのような言葉を突き付けてポロポロと静かに零れ落ちた涙を映画か何かを眺めるように見つめていた。
決して美人とは言い難い子だったが、瞬きをする度に結晶が弾ける涙の粒から目が離せなかった。初めて人の泣き顔に興奮した気がする。

記憶に新しいのは金投げつけて泣かせながら拾わせたことか。その後風邪引くまで帰りを待ってやった辺り健気だ。

人を傷付けて楽しむってどんな気分だと聞かれたことがあり、気持ちいいと言った事がある。なんというか、ただ格好つけたいだけのガキにしか思えない。

事実泣かせるのは嫌いじゃない。
だが笑っていて欲しい奴を何時も泣かせてしまうのはただのバカだ。頭悪い。泣かせるのならうれし泣きがいい。






何も出来ない
何もしてやれない
それどころか傷付ける。

なら、やはりあいつの言う最高の束縛を受けてしまえばいいのではなかろうか。

そしたら二度と苦しめない。
初めてそんなことを本気で思った。


今まで色んな人を傷付けて悪いと思わなかったツケが回ってきたのかも知れない。



何時も明るくなんか振る舞えない、だからこうしてこぼす。
手を伸ばしたいのに伸びない、また何も出来ない。



鳴らない携帯に気が狂いそうになる。
誰からのメールを待っているのだろう。






あたまいたい